犬オタクメモです。
犬の行動学では草分け的な存在のダンバー博士は、日本では信者がいるぐらい支持を得ている人だとおもいますが、考え方が男性的というか、求める犬のイメージも違うと感じていたので今まで本を読んだこともありませんでした。
それでも、犬にやさしい家庭犬のトレーニングを開拓した人なので、彼の過剰反応のワークショップのクラスの宣伝をみて、思わず買ってしまいました。
Online Courses by Dr. Ian Dunbar
Easy, Effective and Enjoyable Dog Training Techniquesクラスを個別に買うと高いので、月10ドルの購読にして、観たいクラス観た後キャンセルしました。
博士は、家庭犬の社会階層の発達と攻撃性について研究した人なので、過剰反応と犬の攻撃性についてのワークショップでは、学者らしい目線で犬の攻撃性について説明されていて、ほお~とおもうところが沢山ありました。
1.攻撃性のレベルを理解するケンカの回数とどの程度のダメージだったかで、攻撃性を数字化。
ワークショップに参加していた飼い主たちは、ケンカの時の細かい説明をしようとしてなかなか質問に直接的に答えるのが難しかったようです。
飼い主の感情を排除して、より客観的に状況を判断しましょうということかなぁと思いました。
大概のケースは、飼い主が思っているほど危ない犬ではなく、恐怖や自制心がかけていることが原因になっているとのこと。
博士は、飼い主が悲観的になって犬を散歩させなくなったり、ガラージや庭に閉じ込めてしまったりと犬の生活の質が下がることを懸念して、飼い主が自分の犬が危険だと思い過ぎているという部分を和らげようとしているようでした。
逆に、自分の犬が危険だと認めない、適切な管理ができない飼い主が問題のようです。
2.古典的条件付けを活用する「
古典的条件付け」と「
オペラント条件付け」の説明が上手で、初めて理解できたような気がしました。(これがどう応用されるのかはまだまだ分からないことが多いです。)
飼い主が、犬や人を見るたびに緊張したり、機嫌がわるくなったりするので、ネガティブな関連付けが出来てしまって、リハビリを困難にしている。トレーナーでも自分の犬には感情が入りすぎてリハビリが難しい。上手くいっていないトレーナーは、魚の匂いがするそうです。(笑) 食べ物で何とかしようと、食べ物の価値をどんどんあげると魚にたどりつくのかなぁ。
古典的条件付けには価値の高いご褒美は必要ないそうです。陽性強化で学習させようとするとご褒美の価値がドンドン高くなる傾向があるみたいだけど。
犬の過剰反応も飼い主の社会性の問題なんだなぁと思いました。
人間の明るい世界観や楽天的な態度も大切なんだと思います。
これは私も思い当たるところがあったので、意識して、ココが反応しちゃいそうな場面で機嫌よくふる舞うよう心がけたいと思います。試しに「イッツ・ア・スモールワールド 」を鼻歌で歌ったら、キョトンとした顔になりました。
別の本で、飼い主が呼吸を止めると警戒しているようにみえるので、呼吸を止めないようにというアドバイスを読んだことがありましたが、多少解釈は異なるけど、リラックスして寛いだ態度を保つというところで共通点があるなぁと思いました。
あと、古典的条件付けがどうして起こるかとか分からない部分もあるそうですが、必ず起こると信じて続けなきゃいけないようです。
褒めるタイミングも、一般に褒めちゃいけないといわれているケースでも、褒めることを奨めていました。強化したい行動と望ましくない行動の両方が強化されたとしても、褒める直前の強化したい行動のほうがより強く強化されるので、強化する機会を逃さないほうがよいという考えからのようです。
最近では、行動学ベースの犬のトレーニングも流行遅れな扱いをうけるようになってきましたが、知識の深い人の話は面白かったです。
ココ、もしかして、私の鼻歌で、嫌なイメージついちゃった?