2014/02/06

犬の留守番・分離不安、案外深刻らしい

イギリスのチャンネル4の番組で犬の分離不安に注目したものがあったので紹介したいと思います。

Dogs: Their Secrete Lives」(このタイトルで検索するとyoutubeで見ることが出来ます。)

主観が強い部分もあるかなぁと思いましたが、犬の留守番とそれからくるストレスが犬の心身に与える影響が人間が思っているより大きいという主点から、犬の分離不安の問題が検証されいます。

ブリストル大学の実験に参加したワンちゃんたちの留守番の様子を撮影したビデオ、それを飼い主と一緒に見て、専門家がアドバイス、分離不安の対策とその後どうしているかを追ったものに、専門家の意見を交えた構成になっています。

留守番する愛犬の姿をはじめてみる飼い主たちは、留守番で悲しみにくれた愛犬の姿に涙していました。

教授の解説では、分離不安の問題は、パニック、恐れ、フラストレーションのうちのどれかが影響しているという説明でした。留守番中の犬の体のどの部分がアクティブか観察することでどの感情が行動に強く影響しているのかを分析するという方法のようです。そして、原因を特定し、問題の原因に基づいたトレーニングプランが組まれたようです。

そして、そのビデオを犬の言語を解読できるという専門家にみせて、犬語を訳してもらいます。

「とても深い悲しみの表れです。」(それは専門家でなくてもわかると思う。)

鳴き声のリズムで犬の感情がわかるそうです。「生命の危機」さえ表しているといわれていたワンちゃんもいました。

実験の結果はというと、40頭中15頭が明らかな分離不安の行動を起こしていて、80%が何らかの分離不安によるストレスを示しており(唾液による測定)、その多くが飼い主も気づいていないということがわかりました。

破壊行動がないからって、留守番が平気というわけでもなく、子犬のころからトイレトレーニングと同じ重要性をもって独りでいることが平気になるようなトレーニングの必要性を強調していました。

元々留守番を必要とされていなかった犬が、ここ50年で人間の社会の変化にともない、留守番の必要性が出てきたのだから、そのためのストレス処理は飼い主の責任でということのようです。

対策として、コングやマットを使ったトレーニング(何もすることがなかったらマットの上でリラックスする練習)やアメリカのドッグTVも紹介されていました。携帯から犬に話しかけ、リモートでトリーツをあげるという商品もありました。

[アメリカのドッグTVは犬のためにテレビをつけっぱなしにできる犬を対象にしたケーブルチャンネルです。犬が見やすいように色を調整したり、リラックスするためのもの、刺激を与えるもの、人ごみの音など環境にならすものなどで構成されていていて、ずっとみるものではなく、環境音楽のような位置づけのようです。こちら、とうもろこし畑を走る犬のイメージ映像です。酔いそうです。笑]

イギリスという土地柄なのか、クレートトレーニングが紹介されていませんでした。どうしてなのか、ちょっと知りたいところです。

[追記:分離不安がひどく、怪我してでもクレートから出ようとするケースでは、クレートは奨められないとしている資料がありました。]

実験に参加した犬たちのその後ですが、犬のために自分たちのライフスタイルを変えて留守番をなしにしたカップル、10歳のジャーマンシェパードも10歳にしてデイケアに通うようになり、ストレスが原因と思われる糖尿病のワンちゃんも病状の進行を抑えることができたと報告されていました。

ちょっと驚いたのが「実験に参加した犬の7匹が死殺処分」。(イギリスでは、犬の鳴き声などで苦情がでて問題が解決できないと高額な罰金になったり、犯罪歴がついたりすることがあると説明されていたので、問題が解決出来ないときは死殺処分を選ぶケースが多いのだと思います。なので、この問題は犬の命に関わる問題のようです。)

そして、マットのトレーニングでがんばっていたロットワイラーミックスのブルーノ君。

TVで見る限りではひどい問題のある犬にもみえないし、レポーターの男性に対しても落着いて接していました。

飼い主:「留守番のトレーニングはうまくいっているけど、都会の音に敏感で、どうしても克服できない。難しい選択をしなければいけません。」

(うん?田舎に引越すのか?)

飼い主:「ブルーノは田舎で伸び伸び暮らすのが一番。」

レポーター:「(飼い主を慰める)がんばってもダメだったんだよね。いいよわかるよ、ブルーノにとってそれがよい選択なんだよね。」

ブルーノ君の紹介のときに、問題が改善しなければ、将来どうなるかわからない施設に戻される可能性があるといわれていたんだけど、番組観た人が引取るって名乗り出てくれるのを期待したのか?

と、ブルーノ君の将来がちょっと気になりました。

番組の最後は、分離不安の問題には解決法があること、多くの犬たちが分離不安の問題を静かに抱えながら生活していること、そして、それに対応することは「犬の福祉」の問題であるとしめられて終わりました。

あと、この番組のサイトに出ていたアンケートで8時間以上留守番させていると答えたのが5%っていうのも驚きでした。

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5 件のコメント:

  1. 分離不安症。それらしき行動はうちでもアリアリでした(T_T)
    とくに、ウチで最高8匹とすんでた時・・リビングと寝室でピットをわけなきゃいけなくて。。。
    私も辛い気持ちはあったものの、喧嘩を避けるために。。
    今は、6匹全て一緒ですが、過去も今も留守の際はテレビつけっぱなしです。

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  2. ココは車での待機は苦手みたいです。
    家での留守番は平気そうなんだけど、カメラ置いてみないとわからないかなぁ。

    ドックTV欲しくなっちゃいました。

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  3. ビデオぜひ見てみます!うちは長くて6時間が最高かなあ。コングなどを置いて行けば、大丈夫。帰宅すると今まで寝てましたって感じで出て来るので、たぶん鳴いてはないだろうと。玄関付近で悲しげに待ったりしてる可能性はアリ(二人のうち一人が出かけると、そうなる)。

    友達は離婚して長時間働くようになって以来、犬を長時間お留守番させてます。たまにトイレのお世話をしにいくことがあるんだけど、私が帰る時激しく鳴いてしまいます...おやつを置いて、さりげなく出て行こうとするんだけど、気配で察知して玄関まで追って来て。もうあの声を聞くたび、胸が張り裂けそう!どれほどか一人になるのが辛いのかと...職場は犬ダメ、もしもオッケーでも、犬の方はダメそうだし!ウ〜ンウ〜ン。

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  4. 症状が酷い場合は、アダプションに出してあげた方がいいかなぁって思うけど、留守番ない家もそうそうないだろうから難しいよね。

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  5. うちは、全く平気そう・・・まぁ小さいときからなのであれですがきっちり8時間大人しくというかほぼ寝てる状態で待ってる感じですね。ラテもヒジキも。 おまけにクレートだし。 もちろんずっとつきっきりでいれるのが一番でしょうが、まぁ犬も人間も譲歩ということで。 ちなみにアメリカ人は犬に甘い気がしますね。 かわいそうと思わなければたいしてかわいそうでもないと思う私は冷たいのかもですが・・・・

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