2017/08/10

本:BAT 2.0 Book for Aggression, Fear, Frustration

過剰反応や怖がりの犬の行動矯正に定評のあるBATがBAT2.0にアップグレード。


著者のグリシャ・スチュアートさんは、元数学者で問題を解くのが好きな人で文献などの解釈もテクニカルなエラーが少ないと信頼を置いている人です。

世界のトップのトレーナーやビヘイバリスト、BATのユーザーとの交流もあり、常にBATに改善をくわえているそうです。新刊も交流のある専門家数人にプルーフリーディングしてもらったそうです。

でも、新刊が出た時に、飛ばし読みしてわかった気になって、ほったらかしになっていました。

多頭引き散歩の時の過剰反応がほっとけないほどひどくなってきたので、BATのユーザーグループとかにヒントがないかなぁとチェックをはじめました。

そこで、「一年以上かかったけど、私が見ていない時でもニワトリを無視できるようになった。」と言っている人がいて、また、BATに興味を持ち始めました。

ここ一年でBATも広く受け要られるようになったみたいで、過剰反応対策の決定版のように言う人も増えてきたので、一から本を読み直すことにしました。

読み直してみて、やっぱり理解が足りなかったことに気づきました。っていうか、「関係ないと思ってもこの章も読んでください」って書いてありました。(苦笑)

仔犬のところやプロのトレーナー向けの章、付属も長くって情報がいっぱい詰まっていたのに飛ばして読んでいませんでした。

BAT2.0の大きな特徴は、食べ物などの報酬を使わないで環境から自然に得られる強化子で過剰反応の代わりになる行動を強化していくというところです。犬が自ら強化子を選べる環境を作るというのがポイントのようです。

最終的に目指すところはルーガス派と同じだと思うんですが、グリシャさんの場合は行動心理学で説明できる範囲で納めている感じでした。

食べ物など、ハンドラーから与えられる強化子を減らしていくトレンドになってきたのかなぁと思います。

今まで一般的だったことをすべて辞めるというのではなく、環境が整えられない場合やカーミング・シグナルなど代わりになる行動がなかなか出ないケースでは、食べ物などの報酬を使って行動をシェーピングしていく方法が説明されていたので、ここがルーガス派との違いかもと思いました。計画通りにいかなかった時どうするかの情報って大切だと思います。

BATは怖がりなケースによいのはすぐに分かったんですが、ジェイクみたいに興奮性の場合にどう適応できるのかよくわからなかったんですが、興奮してフラストレーションがたまりやすいケースも説明があったので良かったです。(まだ理解できてないけど)付属に緊急Uターンとか日ごろから練習しておくとよいもののリストもあったのでちょっとジェイクとかんばってみたいと思います。

予防策とか細かすぎるところが気になりましたが、読みやすくって、情報も豊富でちゃんと読んでみると隅から隅まで読みたいと思わすほどの内容でした。

日本語版も出版されればよいのにと思いました。

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